頭上には濃い青空がひろがっているが、視線を落として、向こうにみえるマンション群の上を眺めると、灰色の雲が覆うように、とてもゆっくりと流れていた。さらにその先、マンションとマンションの間からみえる、奥の風景からは太陽の光に透かされたクリーム色に光る雲が見える。手前の雲がゆっくりと流れると、時折その隙間から強い日光が、こちらにも届く。

当たり前の話だが、雲は地表と太陽に挟まれて広がっている。そのため、こちらからは灰色に見えても、その灰色は光を通さなかった影であり、太陽側の表面はきっと明るい。地球から見た灰色の雲も、よく縁をみるとかなり明るく発光している箇所がある。その光の関係を見ることで、我々は雲に厚みを感じることができる。