コーナン

雨上がりの日にクラッシックカーで2人、コーナンの開店をまっている。

ねえ、なんでそんなに突然木材が必要になったの?女は小さい声で問いたが、男は答えない。2人は手を握りあい、沈黙の中ながら力が強くなった。

すこし間があいて、男が語り出した。

「おれはもうこのままでは生きていけない、もし生きていけるとすれば、全てをこの手で作り出していかなきゃならない。それにはまず木材が必要なんだ」

女は特に返事をせず、小さなため息だけが車中をかすめた。

またしばらく経ち、ステレオの時計が9時丁度をしめした。その瞬間に男はキーを回し、エンジンが大きな音を立て始めた。